蒼色の月明かりの下で

心に残る昔の名画。

誰が為に鐘は鳴る

(ドラマ/ヒューマン)

『 誰が為に鐘は鳴る 』
原題 : For Whom the Bell Tolls
製作 : 1943年
製作国 : アメリカ

1937年。内乱のスペイン北部では、アメリカのカレッジ教授ロバート・ジョーダン(ゲイリー・クーパー)が人民戦線派に投じて右翼のフランコに対するゲリラを行なっていた。彼に与えられた新任務は山間の峡谷にかかる鉄橋の爆破で、期限は3日後の未明と定められた。ジョーダンはアンセルモ(ウラジムル・ソコロフ)という同志のジプシーを連れ、山間に巣食うジプシーのゲリラに援助を頼むためその本拠を訪れた。ここの頭はパブロ(エイキム・タミロフ)という男で、かつては人民戦線派の闘士だったが、今では殺人に対する懐疑から闘士を失い、妻のピラー(カティナ・パクシヌー)や手下に牛耳られている有様だった。またこの本拠には、スペインのある市長の娘で、右翼にはずかしめを受けて救われたマリア(イングリッド・バーグマン)という娘もかくまわれていた。マリアは、ジョーダンを一眼みて情熱的な思慕を抱いた。ピラーはジョーダンの手相に死を予見して、2人の恋を成就させてやりたいと願ったが、ともすれば裏切りしそうなパブロの態度や、馬の調達などで、ジョーダンには恋に酔う暇は与えられていなかった。馬の調達を引き受けたジプシーの頭目エル・ソルド(ジョズフ・キャレイア)は右翼軍に包囲され、爆撃を受けて死んだ。ジョーダンはこれを見ても救けるわけにはゆかなかったが、パブロは恐ろしさのあまり鉄橋爆破用の機械を焼いて逃亡してしまった。若い2人の恋の夜も明けてついに当日の朝が来た。改心したパブロも馬を連れて戻ってきた。一隊は二手に分かれて警備隊の詰所を襲い、ジョーダンとアンセルモは手ずから鉄橋にダイナマイトを仕掛けて、敵戦車が通過する直前に爆破した。アンセルモは死に、一隊は敵の面前を駆け抜けて逃走しようとした時、一弾がジョーダンの足を打ち砕いた。死を悟った彼は、泣き叫ぶマリアを一行とともに送り帰させたのち、ひとり敵軍に向けて機関銃の引金を引いた。



スタッフ :
監督 : サム・ウッド
製作 : サム・ウッド
原作 : アーネスト・ヘミングウェイ
脚色 : ダドリー・ニコルズ
撮影 : レイ・レナハン
SFX : ゴードン・ジェニングス
音楽 : ヴィクター・ヤング
美術 : ハンス・ドライヤー
編集 :シャーマン・トッド、ジョン・F・リンク
録音 : ハロルド・ルイス、ドン・ジョンソン

キャスト :
ロバート・ジョーダン : ゲイリー・クーパー
マリア : イングリッド・バーグマン
パブロ : エイキム・タミロフ
ピラー : カティーナ・パクシヌー (アカデミー助演女優賞受賞)
アンセルモ : ウラディーミル・ソコロフ
エルソルド : ジョゼフ・カレイア
アグスティン : アルトゥーロ・デ・コルドヴァ
ラファエル : ミハイル・ラズムニー
フェルナンド : フォーチュニオ・ボナノヴァ
アンドレス : エリック・フェルダリー
プリミティヴォ : ヴィクター・ヴァルコニ
ゴルス将軍 : レオ・ブルガーコフ
ダッツ大尉 : フランク・パリア
[ 2017/11/29 15:00 ] ヒューマン | TB(-) | CM(0)

バンビ

(ディズニーアニメ)

『 バンビ 』
原題 : Banbi
製作 : 1942年
製作国 : アメリカ

フェーリクス・ザルテンの『バンビ』を原作とする。
ある春の朝、森の大王、大鹿のグレート・スタッグの子供としてバンビが生れた。バンビは仔兎のトンパーやスカンクのフラワーと友人になり、また牝の仔鹿ファリンとも仲良しになった。夏、秋、冬、バンビはすくすくと成長したが、翌春母を人間に連れ去られた。恋の季節で、彼もファリンと恋におち、彼女に横恋慕した牡鹿ロノと決闘までした。晩秋、再び人間が森に押しよせ、その夜キャンプから出た火は森を包んだ。妻のファリンを助けて犬とたたかったバンビは、翌朝川の中の島でやっと彼女に再会できた。また年はめぐり、ファリンは双児を産んで、今やバンビは老いた父に代わって森の王位に昇ることになった。



スタッフ :
総監督 : デイヴィッド・D・ハンド
場面監督 : ジェームズ・アルガー、ビル・ロバーツ、ノーマン・ライト、サム・アームストロング、ポール・サタフィールド、グラハム・ヘイド
脚本 : パース・ピアース、ラリー・モーレイ
原作 : フェリックス・ザルテン
製作 : ウォルト・ディズニー
作画監督 : フランク・トーマス、ミルト・カール、エリック・ラーソン、オリー・ジョンストン
美術 : トーマス・A・コッドリック
音楽 : フランク・チャーチル、エドワード・H・プラム
音響効果 : ジェームス・マクドナルド

キャスト : 声優
バンビ : ジョン・サザーランド
 青年 : ハーディー・オルブライト
 少年 : ドニー・ドゥナガン
 子供 : ボビー・スチュワート
とんすけ : ティム・デイヴィス
 子供 : ピーター・ベーン
フラワー : スターリング・ホロウェイ
 青年 : ティム・デイヴィス
 子供 : スタン・アレクサンダー
ファリーン : アン・ギリス
 子供 : カミー・キング
森の王様 : フレッド・シールズ
お母さん : ポーラ・ウィンスロー
フクロウ : ウィル・ライト
ミセス・ヘア : マーガレット・リー
[ 2017/11/27 15:00 ] ディズニーアニメ | TB(-) | CM(0)

カサブランカ

(ドラマ/ラブ・ロマンス)

『 カサブランカ 』
原題 : Casablanca
製作年 : 1942年
製作国 : アメリカ
アカデミー作品賞受賞

まだ独軍に占領されない仏領モロッコの都カサブランカは、暴虐なナチスの手を脱れて、リスボンを経由し、アメリカへ行くために、1度は通過しなければならぬ寄港地である。この町にアメリカ人リークが経営しているナイト・クラブは、それら亡命者たちの溜り場だった。独軍の将校シュトラッサアは、ドイツ側の飛脚を殺して旅券を奪った犯人を追って到着する。旅券を盗んだウガルテという男は、リークに旅券の保管を頼む。リークはこれをピアノの中へ隠す。リークと奇妙な友情関係にあるフランス側の警察署長ルノオは、シュトラッサの命をうけてウガルテを逮捕した。そのあとへ、反ナチ運動の首領ヴィクトル・ラスロと妻のイルザ・ラントが現れる。2人はウガルテの旅券を当てにしているのだが、イルザは、この店の経営者がリークであると知って驚く。憂うつなリークは、店を閉めたあと、盃を傾けながら、彼女とのことを回想する。独軍侵入直前のパリで、彼はイルザと熱烈な恋に身を焦していた。が、いよいよ独軍が侵入して来たとき、2人は一緒に脱れることを約束した。が、彼女は、約束の時間に姿を現さず、そのまま消息を断ってしまったのだった。こうした回想にふけっているとき、イルザが一人で訪れて来た。が、彼は素気ない言葉で彼女を立ち去らせる。ラズロは闇商人フェラリの口から問題の旅券はリークが持っているらしいと聞き、彼を訪れて懇請するが、リークは承諾しない。2人の会見の模様を夫からきかされたイルザは、再びリークを訪れ、パリで彼と恋に陥ちたのは、夫ラズロが独軍に捕われ殺されたと信じ切っていたためであり、約束を破って姿を消したのは出発の直前、夫が無事であることが判明し、しかも病気で彼女の看護を求めていると知ったためである。と事情を語った。これでリークの心もとけ、2人の愛情は甦った。翌日、リークは署長ルノオを訪れ、ラズロに旅券を渡すからそのとき彼を捕えろ、俺はイルザと逃げる、と語り、手はずを整えさせた。が、その夜、店へラズロとイルザが現れ、ルノオがこれを逮捕しようとしたとき、突然リークはルノオに拳銃をつきつけ、ラズロ夫妻の旅客機を手配するため、飛行場へ電話をかけるように命じた。ルノオは、電話をシュトラッサアへつなぎ、暗に2人が出発しようとしていることを知らせた。飛行場へ赴いたリイクはラズロとイルザをリスボン行の旅客機に乗せてやる。一足違いで駆けつけたシュトラッサアは、これを阻止しようとして却ってリークに射殺された。彼の死によって独軍及びヴイシイ政府の呪縛から逸したルノオは、リックと相携へてこのカサブランカを脱出し、反独戦線に加わることを誓うのだった。



スタッフ :
監督 : マイケル・カーティズ (アカデミー監督賞受賞)
製作 : B. ウォリス
原作戯曲 : マレイ・バネット、ジョアン・アリスン
脚色 : ジュリアス・J・エプスタイン、フィル・G・エプステイン、ハワード・コッホ
撮影 : アーサー・エディソン
SFX : ローレンス・バトラー
音楽 : マックス・スタイナー
美術 : カール・ジュール・ワイル
録音 : フランシス・J・シェイド

キャスト :
リック・ブレイン : ハンフリー・ボガート
イルザ・ラント : イングリッド・バーグマン
ヴィクトル・ラズロ : ポール・ヘンリード
ルノー署長 : クロード・レインズ
シュトラッサー少佐 : コンラート・ファイト
フェラーリ : シドニー・グリーンストリート
ウーガーテ : ピーター・ローレ
サム : ドーリー・ウィルソン
カール(ウェイター) : S・Z・サコール
サッシャ(バーテンダー) : レオニード・キンスキー
イヴォンヌ : マデリーン・ルボー
アニーナ・ブランデル : ジョイ・ペイジ
エミール(ディラー) : マルセル・ダリオ
オランダ人の銀行家 : トーベン・マイヤー
[ 2017/11/25 15:00 ] ラブ・ロマンス | TB(-) | CM(0)

奥様は魔女

(アクション/ファンタジー)

『 奥様は魔女 』
原題 : I Married a Witch
製作 : 1942年
製作国 : アメリカ

名作テレビドラマ「 奥さまは魔女 」の元になった作品。
先祖代々ウォーリー家では魔女に祟られて来た。当主ウォレス・ウォーリー(フレドリック・マーチ)は州知事選挙に打って出ようとする新進政治家、新聞社長の娘エステル(スーザン・ヘイワード)と婚約の間柄であったが、魔女ジェニファー(ヴェロニカ・レイク)は父ダニエル(セシル・ケラウェイ)の命令で彼に魔法をかけるため、箒にまたがって彼に近づいた。ウォレスとエステルの結婚式当日、ジェニファーはウォレスに飲ませようとした「ほれ薬」をふとしたことから逆に自分が飲む羽目に陥り、たちまち彼女は彼に恋してしまった。その騒ぎで怒り出した花嫁側は引き揚げてしまい、ジェニファーは父ダニエルの嘆きをよそにウォレスと新家庭を持つことになった。神通力をもったウォレスは選挙戦にも大勝し、二人の仲を割こうとするダニエルもジェニファーによってウィスキー壜の中に閉じこめられて、二人は末長く幸福に暮羅すことが出来るようになったが、娘のジェニファー二世の箒にまたがるクセだけはなおらないのであった。



スタッフ :
監督 : ルネ・クレール
脚色 : ロバート・ピロッシュ 、 マーク・コネリー
原作 : ソーン・スミス
製作 : ルネ・クレール
撮影 : テッド・テズラフ
音楽 : ロイ・ウェッブ

キャスト :
ウォレス・ウーリー : フレドリック・マーチ
ジェニファー : ヴェロニカ・レイク
ダドリー・ホワイト : ロバート・ベンチリー
エステル・マスターソン : スーザン・ヘイワード
ダニエル : セシル・ケラウェイ
マーガレット : エリザベス・パターソン
J・B・マスターソン : ロバート・ワーウィック
[ 2017/11/23 15:00 ] ファンタジー | TB(-) | CM(0)

ダンボ

(ディズニーアニメ)

『 ダンボ 』
原題 : Dumbo
製作 : 1941年
製作国 : アメリカ

サーカス団の象ジャンボ夫人が授かった赤ちゃん象は、耳が舟のように大きかったが、ジャンボ夫人にとっては大切な坊や。ダンボと名付けて可愛がった。だが、仲間の象たちや見物の悪童連はみんなダンボの大きな耳を馬鹿にしたので、堪りかねたジャンボ夫人はカッとなって思わず大暴れをしてしまい、鉄の牢屋に気狂い象として押しこめられた。ひとりぼっちになったダンボに、すっかり同情したのは鼠のティモシーである。ティモシーはダンボの大きな耳を見て、ふと思いついた。この耳を羽根がわりにして飛べないものか? カラスたちの応援でダンボはみごと空を飛ぶことが出来た。そして、満員の見物や団長の驚きを尻目に、ダンボは悠々とサーカス小屋の中を飛んで見せ、忽ち人気者になった。早速ハリウッドがダンボと契約し、ダンボは牢から出してもらったお母さんと一緒に美しい専用車でハリウッドに向かった。



主題歌 : ケイシー・ジュニア


スタッフ :
監督 : ベン・シャープスティーン
場面監督 : ノーマン・ファーガソン、ウィルフレッド・ジャクソン、ビル・ロバーツ、ジャック・キニー、サム・アームストロング
アニメーション監督 : ウラジミール・ティトラ、フレッド・ムーア、ウォード・キンボール、ジョン・ラウンズベリー、アート・バビット、ウーリー・ライザーマン
脚本 : ジョー・グラント、ディック・ヒューマー
脚色 : オットー・イングランダー
製作 : ウォルト・ディズニー
音楽 : オリヴァー・ウォーレス、フランク・チャーチル
作詞 : ネッド・ワシントン
音楽演奏 : エドワード・H・プラム

キャスト : 声優
ダンボ : まだ話せない?
ティモシー・マウス : エドワード・ブロフィ
ジャンボ : ヴェルナ・フェルトン
メイトリアーク :
団長 : ハーマン・ビング
コウノトリ : スターリング・ホロウェイ
キャティ : ノリーン・ガミル
ギグルズ : ドロシー・スコット
プリシー : サラ・セルビー
ジム・クロウ : クリフ・エドワーズ
牧師カラス : ホール・ジョンソン
眼鏡カラス : ジム・カーマイケル
デブカラス : ジェームズ・バスケット
[ 2017/11/21 15:00 ] ディズニーアニメ | TB(-) | CM(0)

ハワード・ホークス

(スタッフ/監督)

『 ハワード・ホークス 』 Howard Hawks

生年月日 : 1896年05月30日
没年月日 : 1977年12月26日( 81 歳没)
出生地 : インディアナ州ゴーシェン
死没地 : カリフォルニア州パームスプリングス
職業 : 映画監督
主な作品 :
『ヨーク軍曹』
『赤い河』
『紳士は金髪がお好き 』
『リオ・ブラボー 』
『ハタリ! 』
受賞 :
アカデミー賞
アカデミー名誉賞
1975年

ハワード・ホークス

1975年、アカデミー名誉賞を授与されるが、現役時にはアカデミー賞の受賞どころかノミネートも1度しかなく、また作品も同じく賞に縁がなかったアルフレッド・ヒッチコックのような際立った独自のスタイルがなかったため、これほどの傑作を世に放ちながらもホークスは生涯を通じて、批評家からは通俗的な娯楽専門のB級映画監督としてしか見られなかった。しかし、1950年代に入ってからは、ヒッチコックと共にフランスの『カイエ・デュ・シネマ』誌のジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーなどから、多くの作品で企画、脚本、キャスティングにも関わるなど、自分のビジョンを貫き通すホークスの徹底的な作家主義の姿勢に関して大きな評価を受け、世界的な映画作家という評価が高まっていく。このことは皮肉をもこめて「ヒッチコック=ホークス主義」と呼ばれるが、ホークス自身は自分を職人監督だと割り切っており、ストーリーを語っているに過ぎないと述べている。またアメリカ本国でも、1960年代から1970年代にかけて、ピーター・ボグダノヴィッチはじめ若い映画研究家からの評価も高まり、多くのホークス研究文が世に出始め、またホークス自身も彼らからのインタビューを快く受けていた。アーネスト・ヘミングウェイやウィリアム・フォークナーとアメリカ文学界の重鎮たちとの交流も深く、特にフォークナーとは親友であり、脚本家としてホークスの映画制作に4作品ほど参加していた。「ヴィクター・フレミングに『風と共に去りぬ』の演出の助言をした」「飛行中に病気で倒れたパイロットの代わりに旅客機を操縦した」など虚言癖がある人物で、晩年、若い映画評論家とのインタビューで語ったエピソードも信憑性が低いと云われている。また人と付き合う際、距離を置き、また手紙や日記といった類のものは残さない性格で、そして上記の虚言癖ゆえに、幼少時代から映画界入りするまでの詳しいエピソードはあまりよくわかっていない。

主な監督作品 :
1926年 栄光への道 : The Road to Glory
1928年 港々に女あり : A Girl in Every Port
1930年 暁の偵察 : The Dawn Patrol
1932年 暗黒街の顔役 : Scarface
1932年 虎鮫 : Tiger Shark
1933年 今日限りの命 : Today We Live
1934年 特急二十世紀 : Twentieth Century
1936年 バーバリー・コースト : Barbary Coast
1936年 無限の青空 : Ceiling Zero
1936年 大自然の凱歌 : Come and Get It
1938年 赤ちゃん教育 : Bringing Up Baby
1940年 ヒズ・ガール・フライデー : His Girl Friday
1939年 コンドル : Only Angels Have Wings
1941年 ヨーク軍曹 : Sergeant York
1941年 教授と美女 : Ball of Fire
1943年 空軍/エア・フォース : Air Force
1944年 脱出 : To Have and Have Not
1946年 三つ数えろ : The Big Sleep
1948年 赤い河 : Red River
1948年 ヒットパレード : A Song Is Born
1952年 モンキー・ビジネス : Monkey Business
1952年 人生模様 : O. Henry's Full House
1953年 紳士は金髪がお好き : Gentlemen Prefer Blondes
1959年 リオ・ブラボー : Rio Bravo
1961年 ハタリ! : Hatari!
1965年 レッドライン7000 : Red Line 7000
1966年 エル・ドラド : El Dorado
1970年 リオ・ロボ : Rio Lobo
[ 2017/11/19 15:00 ] 監督 | TB(-) | CM(0)

市民ケーン

(ドラマ/ヒューマン)

『 市民ケーン 』
原題 : Citizen Kane
製作 : 1941年
製作国 : アメリカ

荒廃した壮大な邸宅の内で、片手に雪景色の一軒家のあるガラス玉を握り、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し新聞王ケーン(オーソン・ウェルズ)は死んだ。死後のケーンに与えられた賛否の声は数多かったが、ニュース記者トムスンは“バラのつぼみ”の中にケーンの真の人間性を解く鍵があると信じ彼の生涯に関係のある人々に会うことになった。ケーンが幼少の頃、宿泊代のかたにとった金鉱の権利書から母親が思わぬ金持ちになった。そのために彼は財産の管理と教育のため、片田舎の両親の愛の中から無理矢理にニューヨークに押し出された。やがて青年になったケーンはかねてから興味を持っていた新聞経営にのりだした。先ず破産寸前のインクワイアラー紙を買いとり友人の劇評家リーランド(ジョセフ・コットン)とバーンステインの協力を得て完全に立ち直らせた。さらに斬新で強引な経営方針と暴露と煽動の編集方針で遂にニューヨーク一の新聞に育てあげた。読者を楽しませるが決して真実を語らぬ彼の態度を友人は諌めるが、飛ぶ鳥も落とすケーンの勢いには全く通じなかった。世界第6位という財産をバックに報道機関をことごとく掌中にし、彼の権力はもはや絶対的なものになった。一方大統領の姪エミリー(ルース・ウォリック)をしとめるに至り知事から大統領への座は目前のものとなった。しかし圧勝を予想された知事選挙の数日前に、オペラ歌手スーザン(ドロシー・カミンゴア)との情事をライバルに新聞紙上で暴露され形勢を逆転された。それと同時に妻エミリーはケーンのエゴイズムに耐え切れず去っていった。離婚、落選という初めての挫折にケーンは狂ったようにスーザンに全てを集中した。彼女の素質も考えず巨大なオペラ劇場を建て自分の新聞で大々的に宣伝をしたが、それはかえって彼女を重圧から自殺未遂へと追いやってしまい、遂には彼女も去っていった。そして1941年孤独のうちにケーンは死んだ。ー―トムスンの努力にもかかわらず“バラのつぼみ”の意味はわからなかった。彼の死後身辺が整理されおびただしいがらくたが暖炉に投げこまれた。そのなかの1つ幼少の頃に遊んだソリが燃えあがる瞬間、ソリの腹に“バラのつぼみ”の文字が現れた。



スタッフ :
監督 : オーソン・ウェルズ
脚本 : オーソン・ウェルズ、ハーマン・J・マンキーウィッツ
撮影 : グレッグ・トーランド
音楽 : バーナード・ハーマン
編集 : ロバート・ワイズ
アート・ディレクター : ヴァン・ボスト・ボルグレイス
美術 : ペリー・ファーガソン
特殊効果 : ヴァーノン・L・ウォーカー
衣裳 : エドワード・スティーヴンソン

キャスト :
チャールズ・フォスター・ケーン : オーソン・ウェルズ
ジェデッドアイア・リーランド : ジョゼフ・コットン
エミリー・ノートン : ルース・ウォリック
スーザン・アレクサンダー : ドロシー・カミンゴア
ミセス・ケーン : アグネス・ムーアヘッド
ウォルター・サッチャー : ジョージ・クールリス
トンプソン : ウィリアム・アランド
バーンスタイン : エヴェレット・スローン
ジェームズ・W・ゲティス : レイ・コリンズ
[ 2017/11/17 15:00 ] ヒューマン | TB(-) | CM(0)

わが谷は緑なりき

(ドラマ/ヒューマン)

『 わが谷は緑なりき 』
原題 : How Green Was My Valley
製作 : 1941年
製作国 : アメリカ
アカデミー作品賞受賞

ギリム・モーガンの一家は、10歳の末っ子のヒューをのぞいて、すべて炭坑で働いていた。彼等はみな応分の収入があり、平和だった。家族の受ける給料は家長のモーガン老によって保管され、家庭のために決められた使途にあてられていた。長男のイヴォーは、新任の村の教会の牧師グラフィードの手でブロンウェンと結婚して、家を出て一家を構えた。だが平和な鉱山町も、経営者が労賃値下げを断行してから波乱が生ずる。モーガンの息子たちは組合を組織して戦おうとしたが、ギリム老は反対だった。息子たちはヒューとアンハラドをのこして、両親の元を去ってしまった。鉱夫たちはストライキにはいった。鉱山の管理人はモーガン老に、鉱夫のストライキを中止するような説得方を依頼したが、老人は断る。彼が事務所から出てくるところを見た鉱夫たちは、モーガン老が管理側についていると判断し快くおもわなかった。モーガン夫人は森の中で行われた鉱夫の秘密会議にゆき、夫を傷つけないように頼んだがその帰途凍った河におちた。が、動向のヒューに辛うじて救われた。ヒューは足にひどい凍傷をうけ、医者から再び歩行はできまいといわれるが、グラフィードはヒューを力ずけ、少年は再び元気をとりもどすことができた。こうしてモーガン家に親しくなったグラフィードはアンハラドに愛情を感じてゆくようになるが、彼女の幸福をおもい、鉱山主の息子との結婚をすすめた。ストライキは終わったが、鉱夫の収入は依然として低かったので、モーガンの息子たちは渓谷の鉱山を去る決意をしていた。ヒューは学校に通うようになり、毎日みじめな日をおくっていたが、拳闘家だったデイ・ブランドとそのマネジャーのサイファーサと仲よくなり、拳闘を教わるようになってから昔のヒューに戻ってきた。モーガン家は昔のように楽しくなろうとしていたが、ブロンウェンの出産の日、イヴォーは坑内で事故のため死に、ヒューは学校をやめ、兄にかわって働くことになった。夫と南米に行っていたアンハラドも戻って夫の実家に暮らすようになったが、心ない召使いの口からグラフィードとの噂をたてられるがグラフィードの人格はその噂にも傷つけられることはなかった。やがてモーガン老も鉱山で死んだ。かつてはモーガン家の幸福を象徴するかにみえた緑の渓谷は、もはや昔の色を止めてはいない。



スタッフ :
製作 : ダリル・F・ザナック
監督 : ジョン・フォード (アカデミー監督賞受賞)
脚本 : フィリップ・ダン
原作 : リチャード・レウェリン
撮影 : アーサー・C・ミラー
美術 : リチャード・デイ、ネイサン・ジュラン、トーマス・リトル
音楽 : アルフレッド・ニューマン
編集 : ジェームズ・B・クラーク

キャスト :
ヒュー(末っ子) : ロディ・マクドウォール
ギルム(父) : ドナルド・クリスプ (アカデミー助演男優賞受賞)
ベス(母) : サラ・オールグッド
アンハード(姉) : モーリン・オハラ
イヴォール(長兄) : パトリック・ノウルズ
ブローウィン(兄嫁) : アンナ・リー
イアント(次兄) : ジョン・ローダー
デビー(三兄) : リチャード・フレイザー
オーウェン(四兄) : ジェームズ・モンクス
ギルム Jr.(五兄) : エヴァン・S・エヴァンス
現在のヒュー(ナレーション) : アーヴィング・パイケル
グリュフィード牧師 : ウォルター・ピジョン
サイフォース : バリー・フィッツジェラルド
ダイ・バンド : リス・ウィリアムズ
リチャーズ医師 : フレデリック・ワーロック
[ 2017/11/15 15:00 ] ヒューマン | TB(-) | CM(0)

断崖

(アクション/スリラー)

『 断崖 』
原題 : Suspicion
製作 : 1941年
製作国 : アメリカ

原作はアンソニイ・ギルバートとして知られた英国探偵作家が、 フランシス・アイリスの名で発表した推理小説「犯行以前」より。
英国社交界の人気者ジョニイ・アイガースは学生時代から詐欺常習者だったが、さすがに相思の娘リーナ・マクレイドロウとかけ落ちするときは真剣だった。リーナはジョニイが無一文であることを知り、熱心に仕事をもつことを勧め、その結果彼は従弟の財産を管理するが、やがてリーナは彼が従弟の財産を使いこんでいることを知り非常な衝撃を受ける。続いて彼は友人のビーキーを唆かし土地に投資させるが、彼女はジョニイがビーキーの金を自由にした上で彼を殺すのではないかと憶測する。ジョニイはパリへ出発するビーキーを見送ってロンドンに行くが、ビーキーはパリで死亡する。リーナはジョニイを疑っていたが、帰宅した彼の口振りから彼女の恐ろしい疑惑はいよいよ深まるばかりだった。やがてリーナは彼が保険金ほしさに自分を殺そうとしていると信じ始める。そして彼が友人の殺人小説の著者イソベル・セドバスクから劇毒薬の秘密を探り出そうとしているのをみて、ますますその疑念を深める。その夜、彼女はジョニイの勧める一杯のミルクを飲む気になれず、翌朝母親を訪ねるのだといってジョニイから逃れようとするが、彼はリーナを自動車で送ろうといいはる。車が危険な個所に近づいたとき、彼の乱暴な運転ぶりにたまりかねた彼女は車から飛び降り逃れようとするが、ついにジョニイに追いつかれてしまう。しかしそこで彼女がジョニイから聞いたのは意外な告白だった。彼はビーキーとパリへ同行したのではなく、使いこんだ金の穴うめに金策に奔走していたが思うようにゆかなかったので、自殺の決意をして毒薬の秘密を探っているのだった。リーナの驚愕と悔恨は激しかった。彼女は疑惑の影が再び二人の愛情をむしばむことのないような生活をやり直そうと熱心にジョニイを説得し、ついに彼の心を動かしたのだった。



スタッフ :
監督 : アルフレッド・ヒッチコック
製作 : デイヴィッド・O・セルズニック
原作 : フランシス・アイリス
脚本 : サムソン・ラファエルソン、ジョーン・ハリソン、アルマ・レヴィル
撮影 : ハリー・ストラドリング
音楽 : フランツ・ワックスマン

キャスト :
リナ・マクレイドロウ : ジョーン・フォンテイン (アカデミー主演女優賞受賞)
ジョニー・アイガース : ケーリー・グラント
マクレイドロウ氏 : セドリック・ハードウィック
ビーキー : ナイジェル・ブルース
マーサ・マクレイドロウ : デイム・メイ・ウィッティ
ミセス・ニューシャム : イザベル・ジーンズ
エセル(メイド) : ヘザー・エンジェル
イソベル : オリオール・リイ
レジー : レジナルド・シェフィールド
ジョージ・メルベック : レオ・G・キャロル
[ 2017/11/13 15:00 ] スリラー | TB(-) | CM(0)

ピノキオ

(ディズニーアニメ)

『 ピノキオ 』
原題 : Pinochio
製作 : 1940年
製作国 : アメリカ

カルロ・コッローディ作の童話「ピノッキオの冒険」を原作とする。
旅に疲れたこおろぎのジミニイは村はずれの夜道で一軒の家を見つけて近寄った。そこは玩具道楽のジペト爺さんの細工場で爺さんは人間の子供と同じ大きさの人形ピノキオを作り上げ、天使に魂を入れてくれと願っているところだった。天使は降りてきてピノキオに人間の魂を入れ、ジミニイに彼の良心を監視するよう言いつけた。学校に通うピノキオを見つけたジョン狐は、甘言でだまして人形芝居一座に売り飛ばした。最初得意になっていたピノキオも篭の中に閉じ込められたのでびっくり、天使を泣き落してようやく逃してもらった。家に帰る途中ピノキオはまたもジョン狐にだまされ、ジミニイの止めるのも聞かず極楽島へ遊びに行ってしまった。ここで散々悪いことを覚えたピノキオは段々ロバのような形になってきたので、あわてて逃げ出し家に飛んで帰った。ジペト爺さんはピノキオを探しに旅に出かけ、怪物鯨に呑まれていたが、これを鳩の手紙で知ったピノキオは方々探し回った末、ついに鯨を見つけた。鯨の腹の中で再会したピノキオと爺さんは焚火をはじめ、煙にむせた鯨から飛び出してやっと海岸へたどりついた。爺さんは息を吹き返したがピノキオは生き返らず、必死に天使に願ったところ、パッチリ目を開いたピノキオは本当の人間の子供になっていた。



主題歌 : 星に願いを (アカデミー歌曲賞受賞)

by メガン・ジェット・マーティン
ディズニーチャンネル(キャンプ・ロック)出身

オリジナルはこちらから

スタッフ :
監督 : ベン・シャープスティーン、ハミルトン・S・ラスク
場面監督 : ビル・ロバーツ、ノーマン・ファーガソン、ジャック・キニー、ウィルフレッド・ジャクソン、T・ヒー
脚本 : テッド・シアーズ、オットー・イングランダー、ウェブ・スミス、ウィリアム・コトレル、ジョセフ・サボ、アードマン・ペナー、オーレリアス・バターリア
原作 : カルロ・コロディ
製作 : ウォルト・ディズニー
美術 : チャールズ・フィリッピ
音楽 : リー・ハーライン、ネッド・ワシントン、ポール・J・スミス

キャスト : 声優
ピノキオ : ディッキー・ジョーンズ
アレキサンダー : ディッキー・ジョーンズ
ジミニー・クリケット : クリフ・エドワーズ
ゼペット : クリスチャン・ラブ
ブルー・フェアリー : イヴリン・ヴェナブル
J・ワシントン・ファウルフェロー : ウォルター・キャトレット
ランプウィック : フランキー・ダーロ
ストロンボリ : チャールズ・ジューデルス
コーチマン : チャールズ・ジューデルス
フィガロ : メル・ブランク
ギデオン : メル・ブランク
モンストロ : サール・レイブンズクロフト
[ 2017/11/11 15:00 ] ディズニーアニメ | TB(-) | CM(0)
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