蒼色の月明かりの下で

心に残る昔の名画。

シェルブールの雨傘

(ドラマ/ミュージカル)

『 シェルブールの雨傘 』
原題 : Les parapluies de Cherbourg
製作 : 1964年
製作国 : フランス、西ドイツ

戦争によって引き裂かれた男女の切ない運命をつづったミュージカル。
第一部 旅立ち 1957年11月
 ジェヌビエーブ(カトリーヌ・ドヌーヴ)はシェルブールの雨傘屋の娘で、近くのガレージに勤める恋人ギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)を、深く愛していた。ある日ギイに召集令状が来て、二年間の義務兵役に発つことになった。その夜、二人は求めあった。雨傘屋の不況で、エムリー夫人(アンヌ・ヴェルノン)は自分の宝石を売ることにした。高級宝石商カサール氏がそれを買いとったのは娘のジェヌビエーブの美しさに魅せられたからだった。
第二部 不在 1958年1月
 ギイからの便りはなかった。そしてジェヌビエーブの体には愛の果実が宿った。彼女がギイを待つ心には、少しの曇りもなかった。そんなとき、カサールはエムリー夫人に、ジェヌビエーブとの結婚を申し込んだ。ジェヌビエーブの心の中に、カサールの姿が少しずつ刻みこまれていった。ギイからは何の音沙汰もないのだ。それにカサールはお腹の子までひきとろうというのだ。カサールとジェヌビエーブは結婚した。
第三部 帰還 1959年1月
 ギイが帰って来た。戦闘で負傷した足をひきずって。恋人の結婚を知り、深く悲しんだ。足が不自由な彼は、仕事のミスから失職した。街を歩いても思い出の傘屋もいまは閉じられたまま。孤独が身にしみた。ギイの育ての母が死んだ。その母の娘マドレーヌとギイは結婚した。いくばくかの遺産で、彼等はガソリン・スタンドを買った。
エピローグ 1963年12月
 雪のイヴ、ギイとマドレーヌは子供も出来て幸せだった。その日の暮れ方、ギイ一人が店にいるとき、ベンツが停った。運転している女性がかつての恋人であることをさとった。懐しかった。エムリー夫人は亡くなったという。彼女が車に乗せている女の子を「あなたに似てるわ」それ以上の言葉は交さなかった。さりげない別れ、いまはギイもジェヌビエーブもそれぞれ幸福なのだ。



スタッフ :
監督 : ジャック・ドゥミ
脚本 : ジャック・ドゥミ
台詞 : ジャック・ドゥミ
製作 : マグ・ボダール
撮影 : ジャン・ラビエ
音楽 : ミシェル・ルグラン

キャスト :
ジュヌヴィエーヴ・エムリ : カトリーヌ・ドヌーヴ [歌:ダニエル・リカーリ]
ギィ・フーシェ : ニーノ・カステルヌオーヴォ [歌:ジョゼ・バルテル]
エムリ夫人 : アンヌ・ヴェルノン [歌:クリスチアーヌ・ルグラン]
エリーズ : ミレーユ・ペレー [歌:クレール・レクレール]
ローラン・カサール : マルク・ミシェル [歌:ジョルジュ・ブランヌ]
マドレーヌ : エレン・ファルナー [歌:クローディヌ・ムニエル]
[ 2018/11/09 15:00 ] ミュージカル | TB(-) | CM(-)

007 ゴールドフィンガー

(アクション/アクション)

『 007 ゴールドフィンガー 』
原題 : Goldfinger
製作 : 1964年
製作国 : イギリス

英国の金が密輸ルートで大量に国外に流出しているという情報を得て、ボンド(ショーン・コネリー)はその犯人と目される億万長者のゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)との対決を命令された。ゴールドフィンガーのやるインチキトバクを見破ったボンドは、ジル(シャーリー・イートン)などの犠牲のおかげで彼に近づきになったが、用心棒オッドジョブ(ハロルド・サカタ)に捕まった。気がついたとき、ボンドはゴールドフィンガーの自家用機にいた。彼はアメリカにある金に放射能爆弾を射ちこみ、使用不可能にしておいて自分の金を十倍の値で売りこもうという計画を実行に移しているのだ。ボンドは見張り役がブロンドのプシー(オナー・ブラックマン)であったのを幸い、荒っぽい強烈な手管で彼女を味方にひきいれた。実行の日、プシー指揮の飛行編隊が空から催眠薬を撒き、市全体を眠らせておいて金保管所の扉を焼き切り、ボンドは時限爆弾につながれて金庫におろされた。この時、守備隊が突然立ち上がった。プシーの密告で眠らされたふりをしていたのだ。激烈な戦闘が展開された。そのスキにゴールドフィンガーは米陸軍将校に化けてプシーの待機するヘリコプターで脱出した。オッドジョブを倒し時限爆弾を解除し、危機を救ったボンドはアメリカ大統領の招待を受け特別機で向かう。ところが搭乗員は全員が、密かに乗っていたゴールドフインガーのために縛られ、ボンドも彼の握るピストルの前に立たされた。一瞬、ボンドは弾丸を外し、窓ガラスを破った。激しい気圧の変化にゴールドフィンガーは機外に投げだされた。操縦していたのは帰れば殺されることになっていたプシー。二人はパラシュートで脱出した。空中で熱い接吻をしながら。



主題歌 : 「Goldfinger」 by Shirley Bassey


スタッフ :
監督 : ガイ・ハミルトン
脚色 : ポール・デーン、リチャード・メイバウム
原作 : イアン・フレミング
製作 : ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ
撮影 : テッド・ムーア
音楽 : ジョン・バリー
歌 : シャーリー・バッシー
作詞 : レスリー・ブリカッセ、アンソニー・ニューリー

キャスト :
ジェームズ・ボンド : ショーン・コネリー
プッシー・ガロア : オナー・ブラックマン
オーリック・ゴールドフィンガー : ゲルト・フレーベ
ジル・マスターソン(姉) : シャーリー・イートン
ティリー・マスターソン(妹) : タニア・マレット
オッド・ジョブ : ハロルド坂田
キッシュ : マイケル・メリンジャー
リン : バート・クウォーク
フェリックス・ライター : セク・リンダー
M : バーナード・リー
Q : デスモンド・リュウェリン
マニーペニー : ロイス・マクスウェル
スタント : ボブ・シモンズ、アルフ・ジョイント
[ 2018/11/07 15:00 ] アクション | TB(-) | CM(-)

夏の魔術

(ディズニー実写)

『 夏の魔術 』
原題 : Summer Magic
製作 : 1963年
製作国 : アメリカ

ケイト・ダグラス・ウィギンの小説『マザー・ケリーのひよっ子たち』を映画化。
1911年の春、ナンシー(ヘンリー・ミルズ)一家はメイン州の田舎町に引越した。ナンシーが夏休み中「黄色い家」が空いていたのを見つけ、郵便局長に手紙を出し格安で借りたものだった。親切な郵便局長は家の修繕をしてくれた。娘のラリーはナンシーや弟ギリーとも仲よくなった。ある日、従姉のジュリア(デボラ・ウォーリー)が「黄色い家」にやってきた。両親を亡くしたジュリアを温かく迎えてやるようにという母(ドロシー・マクガイア)の注意に、ナンシーは一応歓迎することにした。その頃町の学校にハンサムなブライアント先生が着任した。先生を家に招待した日、着飾ったジュリアが先生を独り占めしたので、怒ったナンシーはジュリアと大喧嘩してしまった。母はやさしく2人をなぐさめジュリアはこの日から家族の一員として暮らすようになった。万聖節のパーティの日、「黄色の家」に見知らぬ青年が立ち寄ったが、ナンシーたちが住んでいるのを見ると驚いてたちさった。彼こそこの家の本当の家主だったのだ。人のいい郵便局長が家主に内証で家を貸していたのだった。パーティが始まった。ジュリアはブライアント先生と、ラリーはギリーと踊ったが、ナンシーは1人ぼっちだった。母に励まされてパーティに加わろうとした時、彼女の目の前に家主のハミルトンが現われた。彼が「黄色い家」の持ち主だと知ったナンシーは驚いたが、やがて2人は踊り始めた。そしてナンシー一家はこれからも「黄色い家」に住むことになった。



挿入歌 : Beautiful Beulah by ヘイリー・ミルズ、エディ・ホッジス


スタッフ :
監督 : ジェームズ・ニールソン
脚本 : サリー・ベンソン
原作 : ケート・ダグラス・ウィッキン
撮影 : ウィリアム・スナイダー
音楽 : バディ・ベイカー
作詞・作曲 : リチャード・M・シャーマン、ロバート・B・シャーマン

キャスト :
ナンシー・キャリー : ヘイリー・ミルズ
マーガレット・キャリー : ドロシー・マクガイア
ジュリア・キャリー : デボラ・ウォーリー
ジリ・キャリー : エディ・ホッジス
ピーター・キャリー : ジミー・マザーズ
オシ・ポパム : バール・アイヴス
トム・ハミルトン : ピーター・ブラウン
サリー・ジョイ・ポパム : ウェンディ・ターナー
マリア・ポパム : ウナメルケル
[ 2018/11/05 15:00 ] ディズニー実写 | TB(-) | CM(-)

北京の55日

(ドラマ/ヒューマン)

『 北京の55日 』
原題 : 55 Day at PEKING
製作 : 1963年
製作国 : アメリカ

1900年中国で勃発した義和団事変の史実に基いて映画化。
1900年の初夏、山東省に蜂起した義和団は清国に進出した西欧勢力とキリスト教徒を本土から追放しようと勢力を増し、ために北京城の外国人たちの不安は高まった。この頃ルイス少佐(チャールトン・ヘストン)の米海兵隊が北京城に来た。秘密に包まれた紫禁城の奥で、清朝の西太后(フローラ・ロブソン)が側近の端郡王(ロバート・ヘルプマン)と寵臣栄緑将軍(レオ・ゲン)たちの密議中で義和団の力を利用して外国勢力を一挙に国外へ追放することを決め、団を蔭で後援することにした。ルイスはロバートソン卿(デイヴィッド・ニーヴン)の主催する舞踏会でロシア男爵未亡人ナタリー(エヴァ・ガードナー)に会い、一目で2人は互いに強くひかれた。だが、ロシアに帰らねばならないナタリーが旅支度をしている時情勢が急変した。ドイツ公使が路上で義和団たちに殺されたのである。この現場を偶然ホテルから見た少佐はその指揮官端郡王を西太后に報告し抗議したが、逆に彼女は各国外交団の北京城退去を警告した。この日、義和団の外国人居住地に対する攻撃が開始され、ナタリーも篭城を余儀なくされた。11ヵ国の外国人たちは一体となって防衛した。ナタリーも野戦病院の看護婦として働くことを惜しまなかった。少佐は天津の救援軍へ連絡のため北京城を脱出したが失敗、城へ帰るため敵中を潜行、やっと帰りついたとき、ナタリーの死を聞き、暫し虚脱した。火炎瓶作戦などで少数の連合軍は55日間の篭城に耐えた。そして砲煙の間から救援の軍が姿を現し城内の外国人たちは狂喜した。見事戦い遂えたのである。新しい任地に出発するルイス少佐はこの戦いで孤児になった混血娘を連れて思い出深い北京城を後に、名物の黄塵の中に消えていった。



テーマ曲 : テーマ曲に歌詞をつけて「北京の55日」 by ブラザーズ・フォア


スタッフ :
監督 : ニコラス・レイ
製作 : サミュエル・ブロンストン
脚本 : フィリップ・ヨーダン、バーナード・ゴードン
撮影 : ジャック・ヒルデヤード
作詞 : ポール・フランシス・ウェブスター
音楽 : ディミトリ・ティオムキン

キャスト :
マット・ルイス少佐 : チャールトン・ヘストン
ナタリー・イワノフ男爵夫人 : エヴァ・ガードナー
英国公使アーサー・ロバートソン卿 : デヴィッド・ニーヴン
西太后 : フローラ・ロブソン
ハリー軍曹 : ジョン・アイアランド
デ・バーン神父 : ハリー・アンドリュース
栄禄(ヤン・ルー)将軍 : レオ・ゲン
端群王(プリンス・トゥアン) : ロバート・ヘルプマン
セルゲイ・イワノフ男爵 : クルト・カズナー
スタインフェルト医師 : ポール・ルーカス
サラ・ロバートソン卿夫人 : エリザベス・セラーズ
ボブリンスキー少佐 : ジャック : セルナス
アンディ・マーシャル大尉 : ジェローム・ソー
テレサ : リン・スー・ムーン
柴五郎中佐 : 伊丹十三
チャン : マイケル・チャウ
ホフマン : ウォルター・ゴテル
ジュリアード : フィリップ・ルロワ
[ 2018/11/03 15:00 ] ヒューマン | TB(-) | CM(-)

ブーベの恋人

(ドラマ/青春)

『 ブーベの恋人 』
原題 : La Ragazza di Bube
製作 : 1963年
製作国 : イタリア

カルロ・カッソーラの同名小説を映画化した青春ドラマ。
1944年のある日、イタリアのある田舎町にあるマーラ(クラウディア・カルディナーレ)の家に、ブーベ(ジョージ・チャキリス)という青年が訪れた。終戦になって、故郷に帰る途中、マーラの異父兄サンテの最期を報告するために立ちよったのだった。マーラの父親は、心からブーベを歓待したが、サンテを失った母親は、何かしらブーベに対しても敵意を抱いていた。翌朝、マーラに落下傘の絹をあたえて帰った。その後数カ月ブーベとマーラの文通がつづき、冬になってから仲間と運送屋をはじめることになったブーベがマーラを訪ねて来た。彼はマーラの気持も確かめず父親から彼女との婚約の許しを得て帰ってしまった。何カ月かたったある日、突然ブーベがマーラの家に来た。ふとした事件に巻込まれ、憲兵の息子を射殺し、警察のお尋ね者になってしまったのだった。ブーベはマーラを連れて故郷へ帰ったが、マーラは予期に反して汚いブーベの家や、家族にがっかりした。隠れ家にしていた紙工場の廃墟にも危険が迫り、仲間の計いで国外に逃亡することになった。ユーゴに逃亡したブーベからは長い間、便りがなかった。マーラは父の家にいづらくなり、町の友達を訪ねてゆく決心をした。やがて彼女にはステファノ(マルク・ミシェル)という真面目なボーイ・フレンドができた。一年の月日が経った。ブーベはユーゴ政府によって、イタリアに送還され、殺人犯として裁判を待つことになった。マーラはブーベが無罪になれば、自分もブーベから解放されると考え、ブーベのために偽証しようと心に決めた。だが、法廷で嘘がつけず、結局、ブーベは十四年の判決をうけた。マーラはやはリブーベの妻となることを決意し、それ以来、二週間ごとに刑務所通いを続けるのであった。



スタッフ :
監督 : ルイジ・コメンチーニ
製作 : フランコ・クリスタルディ
原作 : カルロ・カッソーラ
脚色 : ルイジ・コメンチーニ、マルチェロ・フォンダート
撮影 : ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
音楽 : カルロ・ルスティケリ

キャスト :
マーラ : クラウディア・カルディナーレ
ブーベ : ジョージ・チャキリス
ステファーノ : マルク・ミシェル
マーラの父 : エミリオ・エスポット
マーラの母 : カルラ・カーロ
リリアーナ : ダニー・パリス
イネス : モニーク・ビタ
リドーリ : マリオ・ルーピ (ノンクレジット)
[ 2018/11/01 15:00 ] 青春 | TB(-) | CM(-)
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