(ドラマ/ラブ・コメディ )
『 昼下りの情事 』
原題 : Love in the Afternoon
製作 : 1957年
製作国 : アメリカ
クロード・アネの小説『アリアンヌ(Arianne)』を映画化したラブコメディ。
クロード・シャヴァッス(モーリス・シュヴァリエ)はパリの私立探偵である。御依頼ともあれば、アメリカの億万長者フラナガン(ゲイリー・クーパー)とX夫人の濡れ場を盗み撮るという仕事も、やらねばならない。依頼人のX氏がその写真を見て、フラナガンを殺すといきまく。これを聞いたのが、シャヴァッスの娘アリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)である。彼女は父の扱う事件記録を読むのを楽しみにしていたが、チェロの勉強にコンセルヴァトワールへ出かけたものの、この事件が気になってたまらない。フラナガンの泊まっているホテルへ来てみると、X氏がピストルをポケットに忍ばせているところにアリアーヌは出くわした。アリアーヌの機転でX夫人は逃れ、危ういところを助かったフラナガンは、彼女と明日の午後を約束する。翌日、あんな浮気男とデートなどすまいと思ったものの、アリアーヌは結局ホテルを訪れる。食事と美しいムードミュージック、フラナガンのお定まりの手に、アリアーヌはすっかり参ってしまう。しかし、やがてフラナガンがパリを出発する時刻が来て、2人はいかにも世慣れた遊び人同士の如く、あっさり別れた。が、車が見えなくなると、アリアーヌはしおしおと音楽院へ向うのだった。何ヵ月後のある夜、アリアーヌはオペラで恋しいフラナガンに再会し、明日の逢瀬を約束する。翌日ホテルを訪れたアリアーヌに、皮肉にも今度はフラナガンが参ってしまい、彼女がことありげに話した男たちのことに、気が揉めてたまらない。偶然出会ったX氏に相談すると、彼の答は、シャヴァッスに頼め、だった。シャヴァッスが調査してみればなんと自分の娘アリアーヌである。事実を告げることもできず、シャヴァッスはフラナガンに、あの婦人は箱入り娘で当人の言ったことは全部作り話、あの娘を愛しいと思ったら、パリを離れることだと報告する。アリアーヌがホテルを訪れた時、フラナガンは荷造りを済ませていた。世慣れた風を装い、アリアーヌはリオン駅ホームまで見送るが、お互いに別れがたい。やがて発車の時、フラナガンは、遂にアリアーヌを列車に抱えあげる。プラットホームには、ふたりを微笑んで見送るシャヴァッスの姿があった。
スタッフ : 監督 : ビリー・ワイルダー
脚本 : ビリー・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド
原作 : クロード・アネ
製作 : ビリー・ワイルダー
撮影 : ウィリアム・メラー
音楽 : フィルモ・ダンテ・マルチェッティ、モーリス・ド・フェラウディ、アンリ・ベッティ、アンドレ・オレネス、シャルル・トレネ、マティ・マルネック
編集 : レオニード・アザー
衣裳 : ユベール・ド・ジバンシー
キャスト : フランク・フラナガン :
ゲイリー・クーパーアリアーヌ・シャヴァッス :
オードリー・ヘプバーンクロード・シャヴァッス :
モーリス・シュヴァリエX氏 :
ジョン・マッギーバーX夫人 :
リーゼ・ボウルディンミシェル :
ヴァン・ドード