蒼色の月明かりの下で

心に残る昔の名画。

処女の泉

(ドラマ/ヒューマン)

『 処女の泉 』
原題 : Jungfrukallan
製作年 : 1960年
製作国 : スウェーデン
アカデミー外国語映画賞受賞

中世のスウェーデンを舞台に、陵辱の果てに命を奪われた少女の悲劇と、彼女の父親による復讐を描いた作品。
十六世紀、スエーデンの片田舎。ヴェンゲ集落の豪農の一人娘カリン(ビルギッタ・ペテルソン)は、養女インゲリ(グンネル・リンドブロム)を連れて教会にローソクを捧げに行くことになった。下女代りのインゲリは父なし子を宿してい、美しい世間知らずのカリンを嫉妬していた。二人は信心深い母メレータ(ビルギッタ・ヴァルベルイ)と父テーレ(マックス・フォン・シドー)に見送られ馬に乗って出発した。教会までの道は長かった。小川の小屋にさしかかり、インゲリはここで待つといいだした。一人先を急ぐカリンは、途中でオシとヤセッポと少年の三人の羊飼いに会った。彼らはカリンに食事する場所に案内するといった。一方、インゲリは小屋で気味の悪い老人を逃がれてカリンの後を追った。オシのカリンをみつめる目がしだいに変った。身の危険を感じた彼女が馬に乗ろうとすると、ヤセッポが邪魔をした。大声をあげようとした時、オシとヤセッポが彼女を襲いオシが犯した。よろめきながら立ちあがるカリンを、オシが後から殴り殺した。これを目撃していたインゲリは、恐ろしさのあまり声も出なかった。その日の夕暮、例の三人がテーレの家に夕飯を無心にやってきた。テーレは三人に食事を与えた。少年はカリンと同じお祈りに驚いた。テーレ家の人々はカリンの帰宅が遅いので心配していた。食事が済んだ。ヤセッポがカリンから強奪した衣服をメレータに買ってくれと頼んだ。すべてを察した彼女は夫に告げた。怒りにふるえるテーレは三人を殺す決意をした。不意をつかれた男たちは死んだ。あどけない少年までも。復讐したテーレは罪の深さにおののいた。片隅に隠れていたインゲリを案内に、家中で現場に急いだ。無惨に変りはてたカリンをみて、人々は呆ぜんとした。テーレは復讐の罪の償いに、ここに教会を建てると誓った。テーレがカリンを抱きあげると、不思議なことに泉がこんこんと湧き出した。後世の多くの人々がこの地に建てられた教会に訪れたという。



スタッフ :
監督 : イングマール・ベルイマン
脚本 : ウラ・イザクソン
撮影 : スヴェン・ニクヴィスト
音楽 : エリク・ノルドグレン
美術 : P・A・ルンドグレン
編集 : オスカー・ロザンダー

キャスト :
テーレ : マックス・フォン・シドー
メレータ : ビルギッタ・ヴァルベルイ
インゲリ : グンネル・リンドブロム
カリン : ビルギッタ・ペテルソン
ダム・シェパード・マン : トル・イセダル
乞食 : アラン・エドヴァル
[ 2018/07/16 15:00 ] ヒューマン | TB(-) | CM(-)
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