蒼色の月明かりの下で

心に残る昔の名画。

わが谷は緑なりき

(ドラマ/ヒューマン)

『 わが谷は緑なりき 』
原題 : How Green Was My Valley
製作 : 1941年
製作国 : アメリカ
アカデミー作品賞受賞

ギリム・モーガンの一家は、10歳の末っ子のヒューをのぞいて、すべて炭坑で働いていた。彼等はみな応分の収入があり、平和だった。家族の受ける給料は家長のモーガン老によって保管され、家庭のために決められた使途にあてられていた。長男のイヴォーは、新任の村の教会の牧師グラフィードの手でブロンウェンと結婚して、家を出て一家を構えた。だが平和な鉱山町も、経営者が労賃値下げを断行してから波乱が生ずる。モーガンの息子たちは組合を組織して戦おうとしたが、ギリム老は反対だった。息子たちはヒューとアンハラドをのこして、両親の元を去ってしまった。鉱夫たちはストライキにはいった。鉱山の管理人はモーガン老に、鉱夫のストライキを中止するような説得方を依頼したが、老人は断る。彼が事務所から出てくるところを見た鉱夫たちは、モーガン老が管理側についていると判断し快くおもわなかった。モーガン夫人は森の中で行われた鉱夫の秘密会議にゆき、夫を傷つけないように頼んだがその帰途凍った河におちた。が、動向のヒューに辛うじて救われた。ヒューは足にひどい凍傷をうけ、医者から再び歩行はできまいといわれるが、グラフィードはヒューを力ずけ、少年は再び元気をとりもどすことができた。こうしてモーガン家に親しくなったグラフィードはアンハラドに愛情を感じてゆくようになるが、彼女の幸福をおもい、鉱山主の息子との結婚をすすめた。ストライキは終わったが、鉱夫の収入は依然として低かったので、モーガンの息子たちは渓谷の鉱山を去る決意をしていた。ヒューは学校に通うようになり、毎日みじめな日をおくっていたが、拳闘家だったデイ・ブランドとそのマネジャーのサイファーサと仲よくなり、拳闘を教わるようになってから昔のヒューに戻ってきた。モーガン家は昔のように楽しくなろうとしていたが、ブロンウェンの出産の日、イヴォーは坑内で事故のため死に、ヒューは学校をやめ、兄にかわって働くことになった。夫と南米に行っていたアンハラドも戻って夫の実家に暮らすようになったが、心ない召使いの口からグラフィードとの噂をたてられるがグラフィードの人格はその噂にも傷つけられることはなかった。やがてモーガン老も鉱山で死んだ。かつてはモーガン家の幸福を象徴するかにみえた緑の渓谷は、もはや昔の色を止めてはいない。



スタッフ :
製作 : ダリル・F・ザナック
監督 : ジョン・フォード (アカデミー監督賞受賞)
脚本 : フィリップ・ダン
原作 : リチャード・レウェリン
撮影 : アーサー・C・ミラー
美術 : リチャード・デイ、ネイサン・ジュラン、トーマス・リトル
音楽 : アルフレッド・ニューマン
編集 : ジェームズ・B・クラーク

キャスト :
ヒュー(末っ子) : ロディ・マクドウォール
ギルム(父) : ドナルド・クリスプ (アカデミー助演男優賞受賞)
ベス(母) : サラ・オールグッド
アンハード(姉) : モーリン・オハラ
イヴォール(長兄) : パトリック・ノウルズ
ブローウィン(兄嫁) : アンナ・リー
イアント(次兄) : ジョン・ローダー
デビー(三兄) : リチャード・フレイザー
オーウェン(四兄) : ジェームズ・モンクス
ギルム Jr.(五兄) : エヴァン・S・エヴァンス
現在のヒュー(ナレーション) : アーヴィング・パイケル
グリュフィード牧師 : ウォルター・ピジョン
サイフォース : バリー・フィッツジェラルド
ダイ・バンド : リス・ウィリアムズ
リチャーズ医師 : フレデリック・ワーロック
[ 2017/11/15 15:00 ] ヒューマン | TB(-) | CM(0)
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